2005年12月16日

ラジオ体操化石化プロジェクト10

〜体をねじる体操〜
この体操ね。

ねじれていないのだ、これがまた。

ねじれているようで、ねじれていない。「体を横に曲げる体操」と同じく、動いているのは股関節であって、胴体はほとんどそのまま。よく注意してやってみるとわかる。

「まあ、それでも股関節が動かせているなら、やらないよりいいじゃん」という意見もあるかと思う。

確かにそれはそうだ。しないよりマシという点では前回の体を前に曲げる体操より実害は少ない。ただこの運動で「体をねじりました」と認識してしまうことが問題なのだ。本当に「体をねじる」のはどんな感じか、これは簡単に体験していただける方法がある。なので

〜実技をやりましょう!〜

みなさん、足を腰の幅に開いて、「前へ習え!」ように手を前に出してみてください。ただし、手の向きが違います。普通は手のひらを向かい合うように出しますが、ぐりっ一度手のひらを下に向け、そのまま外側まで回してください。手の甲が向かい合う形になりますね。これ第1のポイントです。

じゃあ、次はいよいよ体をねじるわけですが、ここで注意していただきたいことがあります。今、みなさんの顔が前を向いています。ラジオ体操でねじる時は後ろに向きますね。この「ホントにねじる体操」では、顔をずっと、そのまま前を向いたままでやります。これが第2のポイントです。

まず右にねじって(時計回り)みましょう。ゆっくりでいいです。右手は斜め上40度くらいにあげてください。左手はこれに自然についていく感じです。どうしても顔がついていく人は、首ごと回しても結構です。ただし、ねじった後に首を正面に戻してください。左足のかかとは地面から離して行なう方が、スポーツや日常動作に近い現実的な動きとなります。左足がつま先を軸に時計回りに回る格好です。それならば、左の肩が顔の下にくるまで、ねじったまま静止できると思います。

みんな出来たみたいですね。背中の骨や筋肉が動いたのがよくわかったでしょう。これが「からだをねじる、ひねる」ことなんですよ。反対側も同じ要領でして見て下さい。

えっ、なんの役に立つかって?
いろいろありますよ。野球のバッティングやテニス、バトミントンなんかの、スイング系のワザはこれが出来なければなりません。和太鼓でも太鼓を斜め台において正面から打つ時には、この感覚でやるといいんです。見た目が大きく格好よく、速い動きも遅い動きも自在で、音がぐっとさえてきます。
ラベル:ラジオ体操
posted by 徒手空腹 at 23:52| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月15日

ラジオ体操化石化プロジェクト9

〜腰に悪い運動〜

以前うさぶさんがコメントでご指摘下さったように、腰に悪い動き方がラジオ体操にある。「体を前後に曲げる体操」である。後に反る運動は、腰椎、椎間関節に問題のある人でなければ少しくらいやってもいいが、前に曲げる方は健康な人も少し気をつけてもらいたい。謳い文句にあるように、腰痛予防になるどころか、ヘルニアの原因作りになる動きだからだ。

もし立ったまま体を前に曲げたいならば、お尻を後へ突き出すようにして、腰椎はまっすぐにしたまま行なう。胸を張り気味に、顔は前を見たまま、膝はまっすぐにする必要は無い。曲がっていても太腿の後が引っ張られる感覚をおぼえるはずだ。面白いことに先のラジオ体操の写真で言えば、「悪い例」のほうがこれに近い。腰を伸ばすのではなく股関節の体操としてするのが安全である。

腰椎を伸ばしたいなら、仰向けでやるべきだ。最初は片足ずつ、後は両足一緒に、膝の後を抱えて腰を伸ばす。ゆるゆると気持ちのいい角度で無理せずにやればいい。またしゃがんで膝を抱え込むだけでも腰の筋肉はそれなりに伸びてくれる。ただし椎間の障害や、筋肉や筋膜に痛みや炎症などの強い症状がある場合はこれもしてはいけない。(ていうか痛くて出来ないわな)
ラベル:ラジオ体操
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2005年12月08日

ラジオ体操化石化プロジェクト8

で体幹の側屈について記したが、まだ説明不足なところがあるので補足。

なぜ体を倒してはいけないのか?

ラジオ体操の側屈は体を横に倒しておこなう。そうすると股関節で大幅に曲がってしまい、脇腹の筋肉が伸びにくいことは述べた。しかし「体を倒さない」というのはもう一つ重要なポイントがある。それは自力抵抗運動をどこで生じさせるかという問題である。

ラジオ体操の場合、体側運動に限らず全て浅層筋(体の外側、皮膚に近いところにある筋肉)同志が引き合う形になる。それに対し、で述べたような方法だと、浅層筋と深層筋の自力抵抗運動を起こすことが出来る。

ラジオ体操の要領で体を左に倒した場合、確かに右の脇腹には引っ張られた感じがある。ではこれをゴムのように一気に収縮させることは可能か?否である。重たい頭部は運動の支点からはるか遠い先に落ちているため、これを素早く持ち上げることは出来ない。鈍重な等速性の運動が初動となってしまう。

しかし上半身を右にずらせるような動きだと、伸びたゴムを一気に解き放つような力を発揮することが出来る。これは体の外側の筋肉をできるだけ固定させて、背骨に近い筋肉でこれに抵抗することで、力の「ため」を生じさせているからだ。固めた外側に対して内側から力を込めているため、支点から作用点までの距離が、ラジオ体操のときよりずっと近いのがわかる。「筋肉を動かさずに骨を動かせ」とよく言われるのはここだ。

これは筋力を出来るだけ用いずに体重移動でことをなすのに無くてはならない方法である。
ラベル:ラジオ体操
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2005年10月26日

ラジオ体操化石化プロジェクト 7

胸郭(実際は骨盤も一緒に)を変形させる動作は、古武術ブーム(といっても関心があるのはかなり一部の人)で一躍注目された。甲野善紀さんが井桁術理として紹介し、ナンバというキーワードで一部の体育指導者の間に関心を持たれている。

この動作は何をやるときでも必要になるもので、こんな風に指摘される前から、もちろん“やる人はやっていた”。上級者の野球のバッティング、テニスのスイングなどを見ればよくわかる。右打ちの場合、打つ前には体重を右足に寄せ、左の肋間を縮める。回旋と共に左側腹を一気に弛緩伸展させ、同時に体重は左足へ移動する。この動作を側屈なしに回旋動作だけですると、うまくいかないばかりか様々な傷害の元となる。回旋よりも胸郭の側屈による上体の水平スライドを意識することで、素早くスムーズに力まないで動作を終了することが出来る。

ボールや人を追ったり、攻撃をかわしたりするために、体を左右に移動する際も、この動きをよく使う。足で地面を蹴るのではなく体重移動でスタートするには、上体が真横に滑っていった方がやりやすい。

胸郭・骨盤の変形をより応用したものに「ナンバ歩き(走り)」があるが、巷間で多く行われている練習法には「少々難あり」の感を私個人は抱いている。自分自身試してやって見て、参考になったところは多くあるのも事実だが、やや不自然な遠回りがありそうなのは気になる。

ナンバをはじめとして、歩行法に関しては、私のような半端者から、体育研究・指導、武術、舞踊などで一線にいる実践家までが、入り乱れて論争をしている最中である。治療家としては、相手ごとにその体型体質にマッチした最適な歩行法を見つけていきたい。まだ完成されていない分野で、やり甲斐のある作業といえる。
ラベル:ラジオ体操
posted by 徒手空腹 at 09:04| 大阪 | Comment(2) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

ラジオ体操化石化プロジェクト 6

久しぶりです、ラジオ体操。


「体を横に曲げる体操」というのがある。こちらである。

この真横への動きも他の体操と同じく、日常動作でもスポーツでも見かけることのない不自然な動きではあるが、ストレッチとしては必要な要素も入っている。主たる目的であるらしい「わき腹の筋肉を伸ばす」は結構なことだ。ただしやるなら音楽に合わせてやるより、二人一組になって横に並び、手を組み軽く伸ばしあいをするほうが良い。上になっている手はタオルなどを介して引っ張り、体のどこにも痛みを感じないように行なう。

〜曲がっているようで曲がっていない体側〜
中学時代にこの体操を「体側の運動」と習った。体側だから体の側面、特に胴体の横を曲げるのが目的のはずだが、実はこの体操ではあまり胴体は曲がっていない。曲がっているようで曲がっていない。曲がっているのは股関節が中心。胸郭はそのままの形である。にもかかわらず、13種の体操のうち横の動きはこれしか無い。そこが実に問題なのだ。(第2体操にも一つあるが本質的に何も変わりがない)

「胸郭を曲げる」といわれて「そんなもん曲げられるかい!」と言われることがある。しかしそう言った人でも、じつは曲げたことがあるのだ。単に意識していないだけである。

日本人は、意識的に胸郭を曲げたポーズを、好んで芸術に用いてきた。金剛力士像や歌舞伎の見得を切る姿を思い浮かべたいただけると良い。あのマネをしてみた時に、左右の肋骨に独特な感覚を得られると思う。下方へ腕を伸ばした方の肋骨は、クシャッと押しつぶしたバネ。腕を上に掲げた方の肋骨は、逆に伸ばしたバネのようになっている。あのような動きこそ、「体を横に曲げる体操」と言っていい。

あれが何の役に立つのか?それは次回以降にお待ち下さい。
ラベル:ラジオ体操
posted by 徒手空腹 at 22:39| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月01日

ラジオ体操化石化プロジェクト5

前々回の4で、どうして子供はラジオ体操を真面目にしないかについて、説明が尻切れたまま終わっていたのでここに続ける。

子供が真面目にしない理由

1、“正しい体操”の見本を見ても、目的の動作を意識しにくい。
2、子供が非合理な動きを本能的に避けている。

最初の動作である「腕を前から上げて背伸びの体操」を例にとって考えてみよう。“正しいラジオ体操”の説明は、この体操を制定したかんぽのホームページを参考にしていただきたい。

第一体操の最初の動作の目的は「背伸び」である。説明では「背筋を伸ばす」と書いてあるが、これは「せすじ」と読むのだろう。なぜなら「はいきん」は伸びずに収縮しているのだから、「伸ばす」はおかしい。「背すじを伸ばす」なら、体幹の伸筋である脊柱起立筋などの背筋群を収縮させることとして受けとれる。

背筋群を収縮させるのに、両腕を伸ばして真上に上げるのは、真面目にやれば確かにしんどい。手が真上の最高位置で静止した状態は、いわゆるアイソメトリック運動なわけだが、これが「しんどい」。「しんどい」から筋肉にいいかと言えばそうともいえない。体操や新体操、バレエなどを真剣にする子供以外の、一般の小学生には不要な運動なのだ。

人は好んでアイソメトリック運動などしない。だから「背伸びの体操」を見ても、背を伸ばすことなく、腕だけ伸ばす。前から見た形では、子供の目にそれしか映らないからだ。前述1の目的の動作を意識しにくいことと、2の非合理的運動からの逃避は互いに関係しあって、子供を“不真面目”にさせる。

第一体操のように、両側の背すじを同時に伸ばさせたいならば、末端である肘や手は脱力した状態で運動させるべきだ。一例を挙げると、指先は軽く鎖骨あたりに触れた位置からスタートさせ、そのまま肘をまん前に向けて挙げられる所まで挙げさせる。手は肩の後を越えていく。これ以上挙がらないという点で、一気に脱力して腕を前に落とす。これであれば、とりあえず「挙げられる点まで」というわかりやすい目標に対し、背筋(はいきん)を使わざるを得ない状況が生まれる。ただし、こういう左右線対称の動きは、そもそも非効率的な動作であり、日常動作では避けるべきだし、スポーツ競技でも水泳(平泳ぎ、バタフライ)と重量挙げ(スナッチ)くらいにしか見られない特殊なものと考えた方が良い。
ラベル:ラジオ体操
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2005年09月29日

前々回コメントについて

こちらで述べましたように、野口体操と野口整体をごっちゃにしたコメントを致しました。つつしんで御詫びと訂正を致します。日本を代表する、しかも対照的なボディワーカーについて、錯綜して記憶していたことは羞恥の極みで、この業界にいるものとして深く反省をしております。ラジオ体操化石化プロジェクトの信用も危うげになりそうですが、これはこれとして続けていきたく思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
ラベル:ラジオ体操
posted by 徒手空腹 at 21:55| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月28日

ラジオ体操化石化プロジェクト4

「ラジオ体操でも真面目にやれば汗をかく」というのはオジサン、オバサンの話であると、前回書いた。ここに重要なポイントがもう一つある。実際私たちは中学生くらいのころ「お前らはラジオ体操を馬鹿にして真面目にやっていない」と先生によく言われた。とりあえず言われたので真面目にやったが、それで何が変わったかというと何も無い。まず、なぜ誰も真面目にやる気が起きないのか、それこそ真面目に考えるべき問題なのだ。

どんな競技でも目的がある。それは次のどれか単独、または複合したものと一致する。

1より速く移動する。
2より高く跳ぶ。
3より遠くへ跳ぶ、または飛ばす。
4より重いものを移動する。
5より美しく見える動きをする。

テニスや柔道のように、相手のある競技でもやっていることはこのどれかに含まれる。また日常の労働も、動作だけを見れば1〜4を実現することが効率的とされるし、一部の業務においては5と同じ「美しい所作」が求められることもある。

1〜5は決してバラバラに成立するものではなく、相互につながりを持つ。より遠く飛ぼうとするものは、より速く走れなければならない。より遠く飛ばすには、より重いものを移動する力と技術を得ることで記録を伸張することがある。そして、どの覇者もそれぞれの動きのパフォーマンスは全て美しい。

小さい子供にボールを持たせて投げるところを見せると、真似をして投げようとするが大抵はうまくいかない。足を棒立ちにして肘を曲げたままボールを顔の横あたりに持っていって、ぎこちなく腕を内旋してボールを手から離す。意識は常にボールを持つ手にあり、手首→肘→肩の順に動く様子が見て取れる。それが成長とともに改善されると、体を半身にした態勢から、向き直るタイミングに合わせて、胴体の捻りによって生まれる力を肩→肘→手首→指に伝えて投げる術を得る。

スポーツでなく乗用車に乗り込むような動作一つでも同じことが言える。子供は頭から入ってウニョウニョと四つんばになるようにして乗り込む。おしゃれな大人はお尻から先に入る。

中心から末端に伸びていく動き、これは合理的かつ美しい。ラジオ体操の動きはこの対極の位置するものだ。目的のある動きでもなければ、美しいパフォーマンスでもない、競技の中にも日常の労働の中にさえ見ることの無い、非合理そのものの体操なのだ。
ラベル:ラジオ体操
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2005年09月25日

ラジオ体操化石化プロジェクト3

前回あげた予定を変更して、1の筋肉の効果に関しての話をする。

「筋力アップや柔軟性の向上までは期待せず、単なるウォーミングアップとして考えれば、目くじらを立てることも無いではないか?」という疑問を持った方が多いと思う。「では単なるウォーミングアップ」とは何だろうか?

「ウォームアップ」は体温を高めることである。人体は筋肉を収縮させて熱を産生している。だから運動すれば体は自然に温まるのだが、いきなり激しい運動をすると、筋肉や心肺系統への負担が大きくなるため、軽い運動で徐々に体温を上げて体を馴らす。それがウォーミングアップの目的だが、ラジオ体操は決してこれにも向いた体操とはいえない。

結論から言うと、運動量が足らなさ過ぎる。「ラジオ体操でも真面目に全部やれば汗をかく」という人がいるが、それはオジサン、オバサンの話である。考えてみて欲しい。我々が子供のころ、ケイドロ(注・警察と泥棒のこと。探偵ともいう。団体戦鬼ごっこのこと)や宝島、どうま、ドッジボールなどを休み時間に楽しんだものだが、だれも準備体操などしてはいなかった。それで傷害が多かったかというと、特にない。(ふざけて怪我をすることはあるがこれは別)健康な子供の体にとっては、ラジオ体操は体を温めるものにならない。むしろ退屈この上なく、やっている間に、体がなまってしまうくらいたよりないものなのだ。

もちろん健康な子供ばかりではない。総体に最近の子供は日頃の運動が足りないため、体が固くなっているといわれる。骨折の増加はそれと無関係ではないだろう。しかし、これを改善したければ、筋の柔軟性を高める準備運動を積極的にしなければならない。ラジオ体操はその時点で却下、多くの人はストレッチは勧めるはずだ。

ストレッチが重視されるようになったのは、昭和55年頃だったと思う。それまでは日本だけでなく世界的に、準備体操は“号令式”で行なっていた。ところがアメリカのプロフットボールチームの大会などで、選手達が号令もなしに、それどころか「寝っ転がって何かしている」ことが知られるようになり、今ではママさんバレーの最弱チームだって練習前にストレッチをやっている。ラジオ体操よりストレッチの方が、筋肉を伸ばすには良しとされているからだ。

「ラジオ体操で体を動的にほぐした後、静的なストレッチで伸ばすのが筋肉の柔軟性を高めるのに効果的」と思われるかもしれない。しかし、前述したようにラジオ体操は、体をほぐすには運動量が足らないし、実を言えば静的ストレッチの効果も以前ほどは評価されていない。

筋肉をすばやく柔軟にするには、少し大きめの負荷をかけて抵抗運動をする必要がある。抵抗運動の直後に瞬間的に脱力をすることで、筋繊維の伸張に対する受容体の閾値が上がり、結果的に筋肉を伸ばした時の痛みや抵抗感を和らげることが出来る。

負荷の量、リズム、回数、呼吸とのタイミングなどは、最適とするものに諸説ある。古くは日本製の操体法、舶来のPNF、NMT,それに小山裕史先生の初動負荷運動など。どれをやっても「ラジオ体操+ストレッチ」よりも、はるかに効果を感じるはずだ。問題はいささか技術がいる点で、小学生には難しいかもしれないことだが、このあたりは工夫をすれば克服できる。

まとめ
ウォーミングアップとしてのラジオ体操は、健康な子供には無意味だし、体の固い本当にウォーミングアップが必要な子供には、不足すぎる内容だということになる。柔軟体操には今まで使ったことの無い新しい方法を取り入れる必要がある、
ラベル:ラジオ体操
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ラジオ体操化石化プロジェクト2

最初に断っておくが、本稿はラジオ体操のすべてを否定するものではない。例えば近所では、日頃体を動かさない高齢者が一定の運動量をこなすのに、早朝の同じ時間に馴染み深いリズムでラジオ体操をしている。そのように楽しんでやるリクレーションとしての価値までを、批難する気は私にはない。ただ身体能力を出来るだけ効率的に伸ばすべき、小中学校の貴重な体育の時間を割いて行なうには、あまりにお粗末な代物であることを主張するのだ。

〜ラジオ体操のここがいけない〜

1、筋肉に対する効果の無い旧号例式軽負荷運動
筋力アップはもとより望んではいないであろうが、柔軟性を高める効果も無い。

2、運動能力の向上を抑える、末端先行の身体操作
これについての弊害が一番問題かと思う。実際の競技や演技、生活労働とはかけ離れた、役立たずの非合理的な動作の羅列。

3、美的センスを奪う、無味乾燥な身動き
これは2に関連したことでもある。

次回よりは主に2の点を中心にして話を進めたいと思う。
ラベル:ラジオ体操
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2005年09月24日

ラジオ体操化石化プロジェクト

こちらでは、現教育界に残る悪しき慣習を、完全に化石化するプロジェクトが練られている。槍玉に上がっているのは、算数の「計算ドリル」と英語の「不自然な和訳」である。

そこで私もこれに習って、前々から密かに考えていたプランを公表することにした。それがタイトルの「ラジオ体操化石化プロジェクト」である。

ラジオ体操という、この日本独自の奇妙なエクササイズの歴史については、「素晴らしきラジオ体操」に詳細が綴られている。「国民の体操」が様々な変遷を経て、現在の形になったのは昭和27年、実に50年以上も前のことだ。現在ほど運動学が発達していない時代に出来た体操が、何の疑いもなく小中学校の体育の時間に使用されているのはおかしい。

ラジオ体操の何がいけないのか、次回以降少しずつ明らかにしながら、これに代わるものを提示できればと考えている。

気剣体一致の「改」 [単行本] / 黒田 鉄山 (著); BABジャパン (刊)
ラベル:ラジオ体操
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2005年06月14日

腰痛と運動

治療院のウエブサイトに今になって、腰痛のページを作った。どこからどこまで書けばいいか迷っていたが、結局えらく簡単な説明になってしまった。

そこでも触れているが「病院で腰痛の治療に腹筋運動を勧められているが治らない」という患者さんが結構いて、未だにそんな指示をしているところがあることに驚く。膝を伸ばすとか、曲げるとかは関係ない。腹筋運動で治る腰痛は、無いとは言わないがごく少数だ。巷で聞く腰痛体操は、腹筋運動の延長のようなもので益のないものが多い。まだ背筋を使ったエクササイズのほうなら、適応になるものは遥かに多く、私もこれは時々取り入れて好評も得ている。(といって運動選手がやっているようなものではないので注意!)

どんな立場の治療家でも、患者本人の努力は活用すべきだと言う人もあれば、鍼灸院に来ている以上は、運動など勧めずに鍼だけで治すのが本当だという考えもある。まあ、それは人それぞれ、ケースバイケースといういい加減な線を保っている。

運動と言えば私の知っている方は、腰痛体操ではなく「週末登山」で治された。中高年の人が主体となったハイキングサークルに入り、土日を利用して近隣の山を歩くものだ。幸い高槻にはポンポン山という“名所”があり、そこそこ自然を感じられるコースがたくさんある。最初は自分より年上の人についていくのも精一杯で、腰も息も苦しかったそうだが、3ヶ月、半年と続けていると、楽しくなっていつのまにか腰痛も治っていたという。仲間にも同じ体験をしている人がいるらしい。

緩やかな坂道を昇るのは、腸腰筋を鍛えるのに適している。鍛えるというと無味乾燥な反復でのイメージがあるが、ハイキングは違う。でこぼこした地道に対応しながら、緩急をつけて働かせるのは、ジムで機械を相手にするよりも気持ちがいい。身体のインテリジェンスを高める、最高の運動療法であると思う。


追記
とはいえ、腰痛症すべての人にハイキングを勧められるものでは絶対ないのでご注意を。

自分で治せる! 腰痛改善マニュアル [単行本] / ロビン・マッケンジー (著); 銅冶 英雄, 岩貞 吉寛 (翻訳); 実業之日本社 (刊)
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2005年06月06日

ドッジボール よけ方3

避けるというより、かわすと言った方が本当はいい。右側にかわすなら、右足を軸に左半身を後方へ持っていって半身になるのが一番早い。

骨盤を前傾した状態で構えておけば、右の臀筋、側腹筋を急激に縮めるような動きで体を四分の一回転させることになる。普段から子供でもよくやっている動作だが、やったことがない子供もいるにはいる。ボールが来た時、横にスライドして間に合わず当てられてしまう子供などは、一度教えてやったほうがいいかと思う。
ラベル:ドッジボール
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2005年06月01日

ドッジボール よけ方2

「早く逃げる」
これは相手にどちらに逃げるかを知らせてしまう。目が合った瞬間「ややっ」とばかりに左に向かってダッシュすると、投げては相手の逃げるスピードに合わせて撃ってくる。捕る気を放棄している分あたりやすい。

逃げる方は投げ手の撃つ方向が決まってから移動したほうがいい。だから「速く動く」必要がある。

速く動く基本は、足ではなく胴体を先に動かすことになる。これに関しては身体操法の先達が、おのおの色んな言い方で説明している。一番判りやすいのは、伊藤式体操法かと思う。体幹の筋をいかに有効に使うか、そこが問題である。

まず腰幅で立って下さい。正面からボールが飛んできた!右にかわしたい。さあどの足をどこへ持っていくか?

試合でそんなこと一々頭で考えてたら、その間にやられちゃうんで、とりあえず一番早い動き方を練習して実際に使えるようになりましょうということ。

どう足を持っていくべきか?次回に続く。
ラベル:ドッジボール
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2005年05月31日

ドッジボール “よけ方”について 1

ドッジボールでボールをキャッチ出来ずに、逃げてばかりいると「根性なし」の烙印を押されてしまいがちだが、たまに絶妙なよけ方を見せる者が出ると、それはそれで盛り上がる。芸術点がつくのだな。

うまく避けることは、実はこの競技ではとても大切である。足元のボールのようにうまく捕らえそうに無いものは、瞬時に諦めて逃げた方が得だからだ。しかしこれが結構難しい。

よけなければ仕方がないときのパターンはどんな時か?
投げ手が至近距離から迫ってきた時である。その時は中途半端に後ずさりしたところで、当てやすさに変わりはない。左右に逃げた方がいいのだが、たいがい失敗する。失敗の原因は「速く逃げずに、早く逃げる」ことである。
次回に続く。


ラベル:ドッジボール
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2005年05月19日

ドッジボール アメリカでは

ドッジボールを検索すると、今年封切られたアメリカのコメディ映画「ドッジボール」に関する記事が、たくさん出てくる。

あっちのドッジボールは複数(6個)のボールを使ってやるもので、四方八方から飛んでくるため、日本のものよりずいぶん過激になる。州によっては「いじめを助長する」ということで禁止しているところも多いという。

こちらでは戦争をイメージしているんではないかという指摘もあって面白い。思い浮かぶのは、無数の銃弾が飛び交う中、走りぬける主人公には一発も当たらない「ラン・ボー」や「ダイハード」の世界だが、ドッジボールという“現実”ではそうはいかず、あっという間に1ピリオドが終わってしまうこともあるらしい。
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2005年05月17日

ドッジボール 球の受け方

今回はボールの受け止め方について。

まずボールをどこで取るかについてであるが、一般には小学生の場合、体で受け止めるように指導しているようである。両手で下からすくって胸に抱え込むような取り方である。突き指を防止するためだろうが、これだけでは不十分かと思う。ボールは必ず理想的な位置に飛んでくるわけではない。また胸で受けるとそれはそれで、胸郭のしっかりしていない子供は痛がる場合もある。手だけで受けながらも指を突かない方法を一応は教えとくべきだろう。

「手のひらを相手に見せて受ける」
ハンドボールでのキャッチであるけど、手の小さな子供には難しいのは事実だ。でも練習はしておいた方がいい。近くからゆっくり投げて形を覚えさせて、すこしずつ距離をとり、球のスピードを上げていく。もちろん体で受け止めてもいい。ただ指先が前に向くのだけは注意する。

「なぜ取れないか」
出来ない子のよくあるパターンとして多いのは、顔の近くにボールが来ると、顔を背けたり目をつぶったりすることだ。恐怖感からだが、間違っても「怖がり」だとか「根性なし」だとか揶揄してはいけない。子供同士でそういう声が飛び交うのはある意味自然なことだが、親がそれやっちゃいかんのだ。これはあくまで技術的に克服可能な問題として取り扱う。こちらが冷静に指示することで、実際子供自身が精神とは無関係なことが理解できるようになる。

「たまをよく見ろ」はダメ!
球を見続けたらどうなるか?最後まで見ているので受け取れずに顔に当たったりする。当然である。見ろと言われたら、真面目な子ほどこだわって出来なくなる。

ボールを取るのが目的なのであって、見ることではない。

「ボールが2メートル前に来たら自分から取りに行く」
それが怖くて出来ないんじゃないのか?と思われるかも知れない。これにはちょっとした実験を使って子供を“だます”。子供の手のひらを前に出させて、親はパチンと手のひらでやや強めに叩くのだ。このとき出来ない罰にように思わせず、あくまで実験と断ってやらないと後が続かない場合があるので注意しよう。
「痛いやん」
「痛いやろ。今度はお父さんにやってみろ。思い切りやぞ」
間違いなく思い切りやってくる。
「痛あぁ」と大げさに言いながら訊く。「自分は痛いか?」
「痛くない。」
「そうや。動かずに待ってると痛い。向かっていった方は痛くない。ボールが相手でも一緒や」
少々詭弁くさいが、子供は結構納得してくれる。そこで改めて「ボールを取りに行く」ようにすすめる。もちろん近距離、低スピードからはじめるが、取りに行く姿勢が出来てくれば後は早い。程度の問題はあるが、今まで無理だったスピードのボールにも向かっていけるようになる。
ラベル:ドッジボール
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2005年05月16日

ドッジボールその1追加

ボールは手や腕でなく体で投げるものであるが、小さい子供にそう説明してもわかりにくい。弓やゴムのパチンコの話をすることで、イメージングさせたことがあった。ボール投げる前の「ため」を教える時だ。
ラベル:ドッジボール
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ドッジボールその1 投げ方

私たちが小学生のころ、一番馴染み深い球技といえば、ドッジボールだった。今は昔ほど盛んではないが、やはり休み時間になるとグランドに出て遊んでいる子を見かけることが出来る。

ボールを「投げる」と「受け取る」「よける」の三つが出来れば成り立つため、授業でも最初に教えているのだろうが、実際は運動神経のいい子が、教えなくてもいつの間にかできているのに比べて、出来ない子はいつまでも出来ないで悩んでいたりする。私の子たちもあまり得意そうではない様子だったので家で練習をした。その経験も踏まえて、上手く投げられない子供にどう教えれば、より早くできるようになるかまとめてみた。

うまく投げられない子にはいくつか共通点がある。
1.体が正面に向いて、両足がそろったままである。
2.ボールを投げる前の初動作が完全でない。体重をボールの持ち手側にかけて、ためを作ることが出来ない。
3.投げる時の、ボールから手を離すタイミングが取れない。

1はすぐになおせる。右利きなら左足を右足の前に出すだけだからたやすい。横を向かせるのだが、こういう子供は前へ投げるのに横へ向かなければならないことに抵抗を感じているわけだから、それを解消する必要がある。親は素手でいいから、スローモーションで体が右に開いた状態から、投げ終わった時に正面に向くプロセスを展開し、子供にマネをさせる。

2はちょっと難しい。これもいきなり投げる練習をせずに、素手で行なう。1でした動作を実際のスピードですればいい。親は子供の手が届く正面の位置に立って、子供の右手のひら(右利きとする)を親の左手に強く当てる動作をさせる。手の高さは子供の身長より少し上、ちょうどボールを投げる時に通る頂点あたりに置く。

それができたら今度はボールを持たせて同じことをさせる。ボールを手に乗っている間の軌道だけを作る練習をさせるのだ。ここまでほとんど苦労なくいけるかと思う。

その後、親はすこしずつ子供から離れていく。最初はボールを“10センチだけ投げさせる”のである。大事なのはその感覚を子供に快いものとして憶えさせることである。おだてつつ、“
だましだまし”下がっていく。至近距離でも「バシン!」という音をさせることで、自信とともに勢いよく投げる感覚が身についてくる。

ここまでうまくいったとして、ある程度の距離ができるとボールの勢いが下がる。これは3の問題である。

だいたい3〜5メートルくらいくらいから、「ポワ〜ン」とした山並みの軌道になってくることが多いだろう。これはボールから手を離すのが早すぎるせいなので、「手を最後までボールにくっつけておくように」指示する。そうすると今度は思い切り地面に叩きつけてくるかもしれない。その時はすかさずに「もっと上を狙いながら同じようにする」ように言う。親は自分の胸辺りにかまえればいい。

ここでうまくいかなければ、親はもう一度子供との距離を縮めてやる。近くならできることを再確認させて、「その勢いなら遠くまで続くんだよ」ということを強調する。そしてまた距離をとる。何度か往復する必要はあるかもしれないが、最初から遠くに投げさせるよりは、はるかに効率的なはずだ。


まあ子供には個人差がありますので、だれでもスッといくかどうかはわかりませんが、もしこれを読んでいる方で実践してみて「うまくいった」または「ダメだった」ということがありましたら、是非ともご一報ください。それを参考に、もっと良い方法を一緒に考えましょう。

次回はボールを受け取る方に関しての予定。
運動神経がよくなる本-「バランス」「移動」「操作」で身体は変わる! [単行本(ソフトカバー)] / 中村和彦(山梨大学教育人間科学部教授) (著); マキノ出版 (刊)
ラベル:ドッジボール
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2004年12月30日

書道も初動負荷運動

タイトルに駄じゃれのつもりは全くない。
昨日「楷書から行書」のことを考えている間に。文字を書くときの筆使いの要領は、サイズが小さいだけで、初動負荷という点では投球や棒術のような大きな動作と同じであることに気がついた。
当たり前のことなのだが、今まで筆使いを筋の作用として考えたことがなかったため、見逃していた。迂闊である。
posted by 徒手空腹 at 00:01| 大阪 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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