2005年11月09日

文化の日に寄せて(遅すぎ)

子供の頃、何度聞いても意味のわからない言葉があった。それは

「文化」

中学や高校で習った日本国憲法24条に、「健康で文化的な生活を云々」とあるのが、いつまでも気になった。

文化とは何か?実のところ今でも答がよくわからないこの問いを、私がはじめてに口にしたのは小学生の頃だった。運動会の日である。学校のそれではない。そのころ学校とは別に地区が催す運動会があって、出ると子供はみんな参加賞がもらえたのだが、これの一つに奇妙な名前のものがあったのだ。

「文化箱」

もしかしたら記憶違いで、「文化入れ」だったか「文化立て」だったかもしれないが、要するにモノは“ただの筆立て”に「文化」がついてただけだ。プラスチック製で白地に原色の花模様がプリントしてあったのを憶えている。

プラスチックが文化なのか、どぎつい薔薇の絵が文化なのか、鉛筆を入れるから文化なのか?

親は答えた。「何でも文化ってつけたら良さそうに思われるからでしょ。文化住宅とかね、文化包丁とか意味はないけど、新しいものにつけた時代があったのよ」

文化の意味はわからなかったが、“ブンカ”の使い方は少しわかった気がした。言われてみると文化箱の柄は、子供の目にも何となく古くさく垢抜けないもののような気がした。

電気ブランという酒があって、あれは「電気」と銘打つだけで「新しい」「ハイカラ」といった感じが出せた大正時代のものなわけだが、その「電気」の後釜が「文化」だった。

今日桐さんのブログを見て私は初めて知ったことに、木造二階建てのアパートを「文化住宅」というのは関西限定だったというのがある。40年近く大阪に住んでいて、「文化住宅」とは日本中ああいうものだと思い込んでいた。検索して調べると、関東で「文化住宅」というと大正末期から昭和初期にできた、主にサラリーマン向けの和洋折衷一戸建て住宅のことらしい。新宿歴史博物館

どちらの住まいが本当に文化的かなどというアホな話はやめよう。

それより「電気」が「文化」にかわり、その後は何が使われたか、考えてみるけど浮かんでこない。電気製品や栄養補助食品のような限られた分野だと、そういうのはよくある。マイコン制御(マイクロコンピュータだよ!)がファジー機能(どこへ行った?)になったりとか、何でもかんでもタウリン配合だったのが、DHC配合、いや次はコエンザイムといっった感じである。これらはモノの流行であって「ブンカ」や「デンキ」とは違うけど、実際のところ「ファジー」も「DHC」も何やわからんけど飛びついていたのが現状であって、同じようなものではないかと思う。

と、ここまで考えてわかった。文化の後にあらわれた、大衆の心をつかむコトバがあった。私が生業にしながら、できるだけ使わないように心がけているこの言葉だ。

「健康」


posted by 徒手空腹 at 23:41| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

TBありがとうございました。
「文化住宅」が関西限定、やはりご存知ありませんでしたか。

神谷バーの電気ブラン、わたし結構好きですよ。

こちらからもTBさせてもらいます。
Posted by at 2005年11月10日 16:18
桐さん、いらっしゃいませ。TBありがとうございます。

電気ブランは結構人気があるらしいですね。私はまだ飲んだことがありません。もともとアルコールに弱いので、飲める方がうらやましいです。
Posted by 院主です at 2005年11月10日 22:17
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「文化住宅」
Excerpt: NHKのBS1では昼の1時過ぎから、全国の主要局で12:15から放送した地域のニュースをまとめて流してくれます。 ちょうど昼食の時間にあたり、ローカル色豊かな話題が楽しいのでよく見ています。 先日大..
Weblog: ことばを鍛え、思考を磨く 
Tracked: 2005-11-10 16:20
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