2005年08月24日

反復学習と反復練習

反復学習と反復練習は違う。
百マス計算や一般的な計算ドリルは「反復練習」
何も考えずにやらされる千本ノックや素振り○○回も同様に反復練習である。
素振りをするにしてもコーチの指示を受けながら、フォームを改善しつつ行なうのは反復学習といえる。多少にかかわらず試行錯誤があるものは学習と呼んでいい。

過剰な反復練習、いわゆる「シゴキ」でスポーツ技術が上達することはないわけではない。フラフラになるまで筋肉を酷使することで、やがて結果的には最小限の力による目的動作にたどりつくことがあるからだ。しかしその前にくたばることも多いし、不合理な運動の反復こそはスポーツ傷害の大きな原因になる。

シゴキでしか教えられない指導者は、要するに頭が足らんのだ。シンクロナイズドスイミングのトップ選手を送り続けてきた井村雅代さんは、練習でうまく出来ない選手がいると「この子が出来ないのは自分の伝え方が悪いからだ」と思って、教え方をさがすという。厳しい練習で有名だが、選手以上に自分に厳しい指導者であるからこそ、あれだけの結果が出せたのだろう。

計算ドリルやフラッシュカード、百マス計算は、「脳と指先だけのシゴキ」であり、その効果は定かではない。昨日は脳に悪いことの決定的な根拠は否定したものの、良いという根拠も同様にないわけで、やはり私は不採用を支持する。

昨日の内容の反復になってしまった。次は違う話にしよう。




posted by 徒手空腹 at 23:45| 大阪 ☁| Comment(8) | TrackBack(1) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、かなにゃんさんのブログ経由で来ました。

個人塾を開いています。私は「百マス計算」には早く世の中から消えてなくなってもらいたいと思っています。おそらく現在は、史上空前のドリルブームかもしれません。このままいくと、大変なことになると危惧しています。脳に対する過剰な反復練習、体に対するそれよりももっとひどい後遺症が出るようです。私は自分の塾で反復計算が脳に悪いと確認しました。そのことがわかるのに20年近くかかりました。
Posted by こだま at 2005年08月26日 02:16
こだま様
コメントありがとうございます。「ほんとうは怖い計算ドリル」面白く読ませていただきました。

特に共感できたのは子供をもっと「グショウ庭」で遊ばせようという提言です。これだけ総合学習の必要性が叫ばれながら、算数の宿題が計算ドリルに偏るのは、理念なき教育と言って良いでしょう。

何がいちばん今必要か、もう少し学校にも働きかけていこうと思います。
Posted by 院主です at 2005年08月26日 13:43
こ、こだま先生がこんなところに・・・・びびびっくり!!

うちのブログから院主様に行きつくには、過去ログをたどらなければならなかったのでは・・・。

お二人とも勉強になるブログありがとうございます。
「反復計算が脳に悪い」ことは確認されたんですね。
心強いです。
私ももっと勉強して理論武装しなくっちゃ。
Posted by かなにゃん at 2005年08月30日 14:48
>うちのブログから院主様に行きつくには、過去ログをたどらなければならなかったのでは・・・。

トラックバックをしてたんでそこから来られたのかと思いますよ。

「脳に悪い」かどうかは明言しにくいところです。どういう状態が「脳に悪い」というのか定義することが難しいため、私はその言葉が使えないでいます。

私が計算ドリルより「どんぐり倶楽部」を子供にさせたい理由は、美意識によるところの方が多いです。

勉強を見てやるときに、大人として子供に伝えることのできるものが含まれているかどうか、そこが問題なのです。


Posted by 院主です at 2005年08月30日 22:07
こんばんは。こだまです。

「脳に悪い」という言葉ですが、
私も決して安易に使っているつもりはないのです。

脳の働きをもし仮に、「考えること」というふうに定義できるとすれば、「考えられなくなった脳」という事実は脳に悪影響を与えたと考えることができると思います。

単純な計算問題をたくさんこなした子どもは明らかに「考えることができなくなっている子」(これは数多くの子どもを見ての経験からとしかいいようがありませんが・・・)が非常に多いです。もちろん例外はありますが、このことは私のブログで述べています。
言い換えれば、脳が働かなくなっているわけです(もちろん日常生活に支障がない範囲内でということですが)。

>私が計算ドリルより「どんぐり倶楽部」を子供にさせたい理由は、美意識によるところの方が多いです。

まったく同感です。
本当にできる子は、数字や図形を見ても、すぐに答を出そうとするのではなく、バランスの取れた形にもっていく、または推測していく、という方向に考えをすすめていきます。そこで、新しい発見に目を輝かせることができるのです。私はそこに美意識の芽生えを感じます。
Posted by こだま at 2005年08月30日 23:50
こだま様。

仰られるような意味合いであれば、「脳に悪い」というのもよくわかります。実際脳は使う場所を限定させてしまうと、30代でも軽い痴呆が発生し、他の事を積極的にさせることで治癒することがわかっています。そのことから敷衍して考えても、やはり「脳に悪い」かもしれませんね。
Posted by 院主です at 2005年08月31日 01:03
大切な事をお書きです。
良く、読ませていただきます。

100ますは、漢字ドリルの機械的訓練と共通性がありますね。
Posted by 今日 at 2005年12月11日 11:14
ちょっと前にもNHKの番組で川島隆太先生が出てきて、100マス計算の効能について話していましたね。天下のNHKですから、次あたりは別視点の番組を企画していただきたく思います。いやホントに。
Posted by 院主です at 2005年12月11日 22:50
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