2012年06月24日

バチの振り方2 「真っ直ぐな軌跡」の体操つき

当初の順番ですと、2は「小さな音を出せない」の悩みに移るはずでしたが、説明の都合上、前回の補足をした上で4の「何か、どう言っていいかわからないけど格好悪い」に触れたいと思います。

中心から末端へのスムーズな動きと停止を、頭で理解したけど、まだ何かつかめない。そういう方がいらしたら、自分の手の動く軌跡を調べてみてください。初心者の人がよくやる打ち方に、肩を中心に手の部分でコンパス上に大きな弧を描くことがあります。私が目の敵にしている「ラジオ体操」の動きね(^_^;)

手は真っ直ぐ動くんですよ、はい。せっかくですから今回は上手な人のを見て確認しましょう。毎年お世話になっております和知太鼓保存会の皆様。格好いい!テレビ用らしく、いろんな角度から撮れた貴重な動画です。体から一番遠く離れた位置にある手が、一瞬バチ先を後方に倒した後は、そこからジェットが付いたように、真っ直ぐ真っ直ぐ太鼓の近くまで飛んできています。

当たり前ですが、バチ先は最終的に人差し指を支点に小さな弧を描いてはいます。細分化して言えば、指も手首の関節を支点に僅かな弧を描きますが、バチを持った拳自体はひたすら真っ直ぐです。手首やバチに素早い円運動をおこさせるには、その根元で円運動をしては上手くいきません。

直線の動きで円運動を得る技術は、球技や武術の経験者には当たり前すぎて意識したこともないかもしれません。逆にそれらが苦手だった方は、「なぜ早く教えてくれなかったんだよ〜」と言いたくなっているかもしれません。そんな人にお勧めの運動をご紹介!

1、 基本の動き
壁の前リラックスして立つ。足先と壁の間は自分の足一つ分くらい(25センチほど)空ける。片方の手をそのまま少し下から前に出して、手の甲を壁にくっつける。指先は下に向けたまま、刷毛でペンキを塗るように、するすると真っ直ぐ上にあげていく。ちょうど前腕が刷毛の柄、手首から指先までが毛の部分と思って、縦の一本線を書いていく感じ。当然途中で手の甲は離れ、指の背、そして指先だけが壁にくっつく状態になる。それも苦しくなったら、はらりと指先を上に向け手のひら側を壁に着けてまた上に。それも限界に達したら来た道をたどって降ろす。ビデオ逆再生の動き。

出来れば片手が下がる時は、反対の手が挙がり、真ん中ですれ違うように。

2、 実際の体操
1が出来たら、10センチ壁から離れて、手は壁に付けないで1センチほど開けた状態で行う。何度かやって慣れたら、壁無しで同じ動作をする。横から人に見てもらって、手がほぼ直線上に上下していたらOK。腕はしなっているように見える。

3、 太鼓に応用する場合
太鼓は平置き。バチを持って先の運動を行う。実際打つ角度は、90度でなくていい。手の軌跡が真っ直ぐであれば良い音が出る。

大きくて澄んだ音が出せるようになった時は、見た目もちょっと様になっているはずです。真っ直ぐ格好よくというキーワードついでに、うちのサークルも以前お世話になった三宅島芸能同志会の皆様の動画もあげておきます。1;05からの本打ちです。体幹が上下ににぶれることなく、左右にきれいに移動しながら、肩甲骨の方は上下に最大限動かすことで、美しいく力強いフォームが生まれています。

但し、ただし!です。表現に数多の可能性を持つ和太鼓の世界において、格好いいとか格好悪いというのを、今までの話だけで片づけるのは無理があります。手の軌跡が明らかに弧を描いている打ち方をしているのに「格好いい」ものもあります。例えば石川県の御陣乗太鼓は、おそらく今回説明したような打ち方をしてしまえば、異形の世界の魅力が損なわれ、全く面白味の無いものになるかと思います。これは意識してこの型を守っているわけで、なかなか奥深く難しそうです。
タグ:和太鼓
posted by 院主です at 01:48| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/276955421

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。