2006年01月07日

先に手を出さないで!

和太鼓を初心者に教える時に、よく言われる言葉で「肘から出せ」というのがあります。特に、まん前に縦置きした太鼓へ上からバチを振り下ろす時よりも、斜め台などに置いて半身の態勢で打つときなどによく言われます。上からであれば両手とも太鼓との距離は同じですが、半身で横に置いていると、当たり前ですが必ずどちらかの手は遠くから打ち下ろすことになります。たいていの曲では自分の左側に太鼓を置きますので、右手が遠くなります。するとドンドンドンドンのような単調なリズムでも、左手に遅れないようにと右手が焦った動きになります。腕が棒のようになったまま、バチを持った手先だけが飛んでくるのです。体が後からそれについてくる形になるので、ドンとはね返ったときに態勢をくずしてしまうこともあります。

これとよく似た動きでよく見られるのが、子供の球技です。ドッジボールなどで、飛んできたボールを取ろうして目測をするのですが、体を止めたまま手だけを伸ばすために落としてしまう子が結構います。通常、低学年に多く高学年になるにつれ減っていくものです。いわゆる「運動のできる子」というのは、このあたりを教えなくてもクリアしており、体ごと移動してボールに向かうことができます。この「できる」「できない」の差は、小学校へ入る前でもはっきり見て取れるように、生まれつき違いがあるとしか思えません。たびたび書いたように私は運動オンチの方に属するのに対し、兄はとても運動がよくできて、頭抜けて得意というものは無くとも、何をやってもそれなりに様になっていました。同じ両親の子でも、かなりの差がありました。

「できない」を「できる」ようにするために先生がいます。ドッジボールでは実際に「体で捕りにいきましょう」と先生に言われている子がいるでしょう。その一言で上手く捕球ができれば万々歳です。しかし、それでもダメな場合はあります。体をボールに近づけたはいいが、今度は手を下から持ってくるのが間に合わず、胸で跳ね返して泣いたりします。

「体をボールに近づきながら、手をそこへ合わせなさい」と先に言っておけば、そういうことにならないかというと、これはまったくダメでしょうね。二つの要求を同時に与えてすぐにできるくらいなら、最初から苦労は無いんです。同じ失敗でも次につながりやすいものと、つながりにくいものがあるところに注目すべきでしょう。体より先に手を伸ばしてしまう失敗は、言われない限り何度でも繰り返すことが多いですが、体が先に出て手が間に合わないのは、自分で努力して克服しやすいところです。

以前も書いた「中心から始まって末端へ続く動き」が、準備体操、お遊戯、お手伝いのようなものの中で、子供が自然に身につけることができないものかと、私はよく考えます。未だ「これだ!」というような方法は作れておりませんが、体系的に組み立てることは将来可能であろうと思います。
posted by 院主です at 00:28| 大阪 ☁| Comment(12) | TrackBack(0) | 運動を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
八極拳を少し習っていますが、八極拳の突き技
でも同じですね。八極拳の突きのコツは体当たり。ようするに腕や肘がでている体幹を体当たりさせるというのが基本です。上肢の力や体幹のねじりで力をだすのは、体当たりの威力を増すため。そのあたりがボクシングなんかとはっちがうと習いました。
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月07日 10:48
明けましておめでとうございます。

「腕や肘がでている体幹を体当たりさせる」というのは、実に難しいだろうなと思います。八極拳はしていませんが、脚の力にできるだけ頼ることなく瞬時に前に進むという技術は他で練習したことがあります。ほんと難しいですね。
Posted by 院主です at 2006年01月08日 00:47
たしかに難しいです。ただ、八極拳の場合、「脚の力にできるだけ頼ることなく」ではなにて、足をできるだけ最小に使ってどれだけ重心移動させるかがポイントのようです。だから歩法が重要になります。あと上半身の開閉ですかね・・・

我らが師匠のO先生も昔姿勢の話をするときに中国拳法の話をもってきて「体は下に行くほど重要度が高くなる」みたいに言ってましたねぇ。
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月10日 16:49
あれ、タイプミスと文字化けがある・・・

----- 以下訂正
ではなくて、きるだけ最少の動きでどれだけ重心移動させるかがポイントのようです。だからが歩法重要になります。
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月10日 16:52
こちらでは文字化けしてませんよ…

重心移動という点では同じですが、「脚の力にできるだけ頼ることなく」と、「足をできるだけ最小に使って」の違いがちょっとよくわからないです(^_^.)

その世界では「技は教えても歩法は教えない」というような格言もあるそうですな。
Posted by 院主です at 2006年01月10日 23:30
「脚の力にできるだけ頼ることなく」→他の所を使って・・・
 「足をできるだけ最小に使って」→足を使うが最小限に・・・
と思ったんだけど・・・・
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月13日 17:57
「足を使うが最小限に」という場合、動きの主体が足にあるようなニュワンスになりますが…
Posted by 院主です at 2006年01月13日 22:35
>「足を使うが最小限に」という場合、動きの主体が足にあるようなニュワンスになりますが…
そうです(^^)
うまくいえませんが、足を主にして重心に作用させるといいますか・・・
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月14日 10:41
>うまくいえませんが、足を主にして重心に作用させるといいますか・・・

それはもしかして、T・Hさんが言ってるような、「重心を残して支持点を移動する」とかいうのに近いですか?
Posted by 院主です at 2006年01月14日 23:38
THさんって高岡英夫さん?
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月16日 15:15
THさんって高岡英夫さんのこと?
近いかどうかは不明f--;
Posted by 瞑想的生活 at 2006年01月16日 17:22
はい、高岡英夫さんです。
う〜ん不明ですか…
Posted by 院主です at 2006年01月16日 21:55
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